小さな窓―善聞語録183(広報5月号掲載)
コロナ禍で行動制限が課せられた時期、リモートによる英会話レッスンを始めた。比較的時間に余裕ができたのと、国際舞台にあった前職時代に比し英語を使う機会が減り、英会話能力の低下が気になっていたこともある。また娘に薦められたフィリピン発のWeb教室は時間や講師を自由に選択でき、30分ワンコインという低廉な価格も決断を促した。当初はどれくらい続くか案じたが、コロナ禍が明けても細々とではあるが継続し今に至っている。その要因は、単なる英会話レッスンに留まらず、会話を通して彼の国の世相や一般国民の日常生活、価値観に触れることができるからだと思う。居ながらにして他国の天候や若者の夢、流行モノや物価水準などを学べるのは楽しいものである。
市長就任以降、国際的な感覚を子どもの頃から身につけてほしいとの思いで、英語教育に注力してきた。市内中学生のオーストラリア留学や英語検定の無料化、留学生との交流キャンパスや英語漬けのキャンプ等々、地方都市ながら小さくとも世界に通じる窓を開け、グローバルな空気を取り入れたい一心から始めた事業である。
一方、ビジネスの世界では企業の海外展開はもはや当たり前で、市内立地企業の社員にとっても海外への出張や転勤は日常茶飯事になっている。願わくば本市の子どもたちが将来、地元企業の社員として世界を駆け巡ることを期待している。そうなれば子どもの頃に小さな窓から世界を見て国際理解に目覚めた経験も生きてくるというものだ。
75年前、本市は世に先駆けて世界連邦都市宣言を行った。荒れ果てた国土と飢えにあえぐ戦後間もない時期に発せられた宣言文には、市民の進取の気性と併せて地球市民の一員でありたいとの願いが託されている。今を生きる我々には、その先人の意志を引き継ぎ、更に磨いて次の世代に繋いでいく使命がある。
山崎善也
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綾部市市長公室秘書広報課広報・広聴担当
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