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あしあと

    共存から共生へ―善聞語録112(広報6月号掲載)

    「共存」を辞書で引くと、二つ以上のものが同時に生存することとある。一方、似た言葉に「共生」があるが、こちらは双方が互いに利益を受けつつ支えながら生活することと説かれる。即ち、共存はいずれかが欠けても存続できるのに比し、共生はどちらか一方が死滅した場合は他方も生き続けることはできず、例として"自然と人間との共生"が引かれる。
    東京一極集中が言われて久しい。が、以前は大都市と地方は「共存」関係にあると言われ、双方がそれぞれ独立した形で生き残れる余裕もあったが、近時は「共生」の時代に入ったと指摘される。農山村の疲弊と引き換えに、地方から東京に大量の人材や食料、そしてエネルギー等が供給されている省察からであろう。特に都市の脆弱性が顕在化した東日本大震災を境にこういった論調が目立つ。
    都会か田舎かの優劣論、ましてや二者択一の議論をしているのではない。東京には我が国の"花"として首都に相応しい在り様を願うが、花だけが咲き続けることは不可能。根から水分を摂り、葉の光合成で養分を得るからこそ花も咲けるというもので、大都市と地方に置き換えるならば正に共生関係にある映しと言える。
    「水源の里」の基本理念である「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」流域連携のように、大都市が"共生"の当事者意識をもって他者に思いを寄せるなら、地方創生も新たなステージに移れると思うのだが。

    山崎善也(綾部市長)

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