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あしあと

    楽しい綾部―善聞語録182(広報4月号掲載)

    石破総理は施政方針演説の中で、「❝楽しい日本❞を目指す」と語った。賛否両論あるが、 物価高騰や災害が頻発する現況においては、楽しいよりも明るく安全で不安のない日本を目指すべき、との声も多い。実はこの「楽しい」という言葉は、元通産官僚で作家でもあった故堺屋太一氏が著作『三度目の日本』の中で用いた表現。戦前までの「強い」日本、バブル崩壊までの「豊かな」日本に続いて目指すべきは、個々の多様性が尊重され創造性を発揮できる「楽しい」日本とし、これを現総理も引用したと思われる。

    ところで、人が楽しいと思える瞬間とはどんな時だろうか? スポーツや趣味に没頭している時、想いを寄せる人と気持ちを共有できた時、努力が実り大願成就した時…。人それぞれと思うが、ゴールに到達した瞬間の喜びもさることながら、実は、頑張って努力している過程(プロセス)を楽しむ方が喜びを長く深く感じられるかもしれない。本市の地域交流大使でもある漫才師のてつじ氏が著作『プロセスマニア』の中で同様のコメントをしている。同氏は志賀郷地区の古民家を購入しリフォームしているが、完成の最終形や目標年月はないという。次はどうしようと考える過程が楽しいといい、建築家ガウディの没後もバルセロナで延々と建設が続く教会サグラダ・ファミリアにあやかり、自身の古民家を「アヤベダ・ファミリア」と称して憚(はばか)らない。同氏の姿勢には、前職の金融マンの習いで投資の収益性の追及や時間管理を性癖とする我が身を顧みるばかりだ。

    登山家は山の頂上で見る景色よりも、そこに至る道程が楽しいという。ただし、楽しいと楽チンとは異なる。本市の掲げる総合計画のスローガンは「一人ひとりの幸せをみんなで紡いで実現できるまち」。その大前提は、努力すれば報われ正直者が決して馬鹿(ばか)を見ないことであり、それが❝楽しい綾部❞の実現であることは言うまでもない。

    山崎善也


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