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あしあと

    コウノトリ再び?―善聞語録134(広報4月号掲載)

    春爛漫、とは名ばかりで今年の春は例年になく憂鬱だ。出口の見えないコロナ禍に因るもので、去年の今頃は程なくすればまた”ふつう”の生活に戻れる、という漠然とした期待感があったように思うが、今春はマスクやステイホームにも妙に慣れてしまい、諦め感さえ漂う。ワクチン接種の始まりがせめてもの一筋の光明だが、心の底からの高揚感に繋がるでもない。”Withコロナ”という時代の到来予測が、まるで手足を縛られて泳ぐような姿を連想させ、また14世紀のペストは5年にわたって猛威を振るい、スペイン風邪も終息まで複数年を要したという知見が、コロナ・パンデミックでも台風一過のような青空は期待できないという現実を知らしめるからであろうか。

    そんな渦中、今年も特別天然記念物のコウノトリが綾部に飛来、営巣し卵を産んだというニュースが飛び込んできた。昨年は本市で初めて、府内の自治体でも2例目という孵化があり、その1羽のヒナは市民公募で”綾来(あやら)”と命名されたが、巣立って3か月も経たない間に事故で敢え無くこの世を去った。今年も同じ親鳥が産卵したが、これは当地域が極めて自然環境に恵まれている証、と専門家は評する。地元住民は慣れてしまって気付きにくいかもしれないが、世の中的には稀有な環境なのであろう。今年こそは子孫繁栄を祈念するものである。

    人の世も決して楽ではないが、コウノトリの世界も厳しい生存競争が繰り広げられると仄聞する。比較する術は持たないが生死に関わることもあるという意味では、トリの方が過酷であるかもしれない。今年は豚コレラが家畜から山中に蔓延し野生の猪の致死率が高く、里山への出没件数も減っているという。蓋し人も動物も、とかくこの世は生きにくいものなのだ。

    山崎善也

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