所変われば…―善聞語録129(広報11月号掲載)
「天高く馬肥ゆる秋」という言葉は、日本では”馬も肥える食欲の秋”といった好時節到来の意味で使われるが、中国では北方民族が冬に備えて肥え太らせた馬を駆って収穫物の略奪に襲って来るという警戒の表現になる。所変われば…という例は少なくない。
私事だが、米国ワシントン時代に現地校の先生から娘のお尻に青痣があるのを家庭内暴力と疑われたことがある。日本人の幼児の尻には蒙古斑があるものだという説明に苦労したのは、今となっては懐かしい思い出である。挨拶にしても、日本の「こんにちは」に当たる表現が、チベットでは舌を出したり、マオリ族では互いの鼻をくっつけ合ったり。ちなみに大阪では「儲かりまっか?」などと土地柄が滲み出ることも…。
世界はかくも多種多様な民族が異なる習慣や価値観を持ちながらも、同じ”地球市民”として一つの星に共生している。その地球全体を今、新型コロナウイルス感染症が襲っている。グローバルな対処が求められるが、これは戦争の廃絶や地球温暖化への対応など一つの国では解決できない課題と共通する。そしてこの課題解決のためには、各国の主権や多様な価値観を認めながらも超国家の”世界法”による統治が肝要となろう。
70年前の10月14日、本市は世に先駆けて世界連邦都市を宣言した。そのシンボル「平和塔」をライトアップする周年事業が展開されたが、果たして往時の先達には混迷する現代社会に希望の灯が映っているのであろうか。
山崎善也
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