一年のふり返り―善聞語録154（広報12月号掲載）

はや年の瀬というのが実感か―。今年はあまりにも”激動の一年”であり、過去を振り返りつつ来年の抱負を語るのに未だきちんと整理できていないのが正直なところかもしれない。繰り返し押し寄せるコロナ・パンデミックの波に加え、ロシアのウクライナ侵攻は軍事や政治、そして経済等が複雑に絡み合って、物価の高騰やエネルギー・食料不足、社会不安の高まりなど全世界に大きな影響を及ぼしている。

我が国においてもその影響は小さくなく、さまざまな対策を模索しているところに、元首相が銃撃により殺害されるという惨劇が生じ、大きな衝撃を国民に与えるだけでなく、政治と宗教の癒着が取り沙汰される事態に。加えて北朝鮮の度重なるミサイル発射や台湾海峡の緊張の高まりなどで、国防のあり方そのものが議論となっている。

当然のことながら国内外の情勢の混沌が本市に及ぼす影響は大きく、農林商工業への支援策はもとより危機管理の見直しや医療体制の再構築が求められている。コロナ禍があと押ししたとも言えるデジタル社会の本格的な到来は、いわゆる田園回帰の潮流を加速化させることにもなり、移住・定住のプラットホームの整備やスマートシティ構想の実現も待ったなしの状況だ。

私ごとでは市政4期目がスタートした。コロナ禍に大雪が重なって異例の選挙活動となったが、SNSの活用など工夫を凝らして凌いだことは今となっては懐かしくもある。初心を忘れず、そして覚悟をもって、3期12年で培った経験とネットワークを活かして、激動する社会情勢の渦中にあっても市民が安心と希望を感じられるよう市政運営に努めたところだ。そして来るべき新年には内外に平和と安寧の世が到来することを祈りつつ、一年のふり返りとしたい。

山崎善也