市長のジレンマ―善聞語録118(広報12月号掲載)
行政のトップであり政治家でもある市長は、施策の結果や実績が速やかに求められる一方で、住民の総意を得るための調整や議会対応に時間を要するというジレンマに陥ることがある。政治家は妥協の産物を創り出すプラットホームの仲介人と割り切る節もあるが、長らく民間ビジネスを相手にした経験を持つ者としては時に複雑な心境になる。時代の変化が激しく課題が山積する中、このスピード感で対応できるのかと懸念するからである。
地方創生という風は吹いているものの、更なるメリハリの効いた抜本的な施策を国に期待しているのも偽らざるところ。もちろん基礎自治体として独自の方策を講じる努力は必須であるが、諸々の政策は国の法令や制度の大枠に縛られる場合が多いからである。
少々荒っぽい案とは断りながら、例えば東京一極集中を解決すべく都市と地方の消費税に差をつける、また少子化対策として多子家庭の所得税はゼロにして年金は割増支給する、あるいは徴農制により人生の一定期間は地方で農業や林業に従事する…等々、そんな試みがあってもよかろう。検証は不十分ながら他国においては類似した政策により一定の効果が出ているとの報告もある。
成長の時代においては調整型の政治で事足りたが、今の時代にあってはそれだけでは済むまい。閉塞感漂う世にあって、このジレンマの出口探しは今日も続く。
山崎善也
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