パレートの法則―善聞語録92(広報10月号掲載)
「パレートの法則」とは、イタリアの経済学者パレートが示した理論で、数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素から生み出されるという原理。例えばビジネスにおいて売上の8割は全顧客の上位2割が生み出していることから、売上を伸ばすには全顧客を対象としたサービスを行うよりも贔屓(ひいき)の客に的を絞って策を打つ方が効果的であると言う。更には売上の8割は全商品銘柄のうち2割で、しかも全従業員の2割によって生み出されているとか、仕事の成果の8割は費やした時間の2割で達成されているとか…。転じて、故障の8割も2割の部品から発生しているとか、所得税の8割は納税者の2割が担っているとか…この法則が引用される範囲は広い。
要は社会現象というのは決して平均的でなくバラツキや偏りが存在し、一部が全体に大きな影響を持っているという、謂(い)わば当たり前のことを指摘した経験則とも言える。逆に言えば、「2割」の贔屓(ひいき)の客、或いは売れ筋商品、しっかりした従業員がいれば組織は安泰ということであり、「コア(中心)」を持つべき重要性に気づかされる。しかしパレートは続けて「その2割を間引けば8割の中からまた新たな2割が生れてくる」とも言っている。社会というのは相対的―。夫々(それぞれ)が居心地の良い位置取りをしながら、微妙なバランスの上に成り立っていることを再認識させられる“法則”でもある。
山崎善也(綾部市長)
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