見えない敵―善聞語録163(広報9月号掲載)
台風7号の被害を受けた。本市にとって大きな被災となったのは5年前の西日本豪雨災害以来のこと。あの時は土砂崩落により3名の尊い命を失う悲しい夏となった。今回は人命に関わる惨事は避けられたものの、土砂による家屋倒壊や浸水、道路の崩落など大きな被害を被った。今後調査が進む中で農地や森林の被害は増えていくものと案じられる。犀川が越水した地域は5年前も同じような被害を受けており、心が痛む。重機を使った土砂の搬出に加え、連日の猛暑の中、多くのボランティアが泥出し作業等に汗を流してもらっている。
今回の災害に至った直接の原因は、台風本体というよりも渦巻の進路先に発生した降水帯で、時間90ミリを超える雨量の事前予測はなかった。この台風の当地への最接近は8月15日昼頃という予報で、前日の夜半に局地的大雨に見舞われるとは想定していなかった。本市の警戒対策本部もこの夜は翌日に備え要員を残して一旦家路についたのだが、その数時間後に大雨警報が出ることになるとは…。その点では気象庁は記者発表で「見えない低気圧」の発生が原因で極めて稀なケースと釈明した。今一つ釈然としない心地だが、改めて自然の恐ろしさを再認識すると同時に「想定外を想定しても想定外の事が起きる」という人知を超えた営みに翻弄される脅威を教訓として学んだ。文字通り❝見えない敵❞との闘いと言ってよかろう。
我々はこの3年間、別の見えない敵と闘ってきた。新型コロナウィルス感染症である。そして終息が見え始めた今日、本市は新たな試練と立ち向かわねばならない。まさに一難去ってまた一難、そして❝見えない敵❞恐るべし。それでも我々はこの難敵と対峙しつつ大切な故郷を次の世代に繋いでいかねばならない。まずは復旧活動を着実に一歩一歩進めていくことだ。
山崎善也
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