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あしあと

    ブーカの時代―善聞語録149(広報7月号掲載)

    ”ブーカ(VUCA)”とは、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する造語で、4つのキーワードの頭文字から成る。即ち、Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性―を語源として、元々は軍事用語であったが最近は経済やビジネスの業界でも用いられる。確かに現代は、地球温暖化に伴う異常気象や新型コロナウイルスによるパンデミックなど予測困難な事象が相次いで起きている。極めつけはロシアによるウクライナ侵攻で、刻々と伝えられる惨状はおよそ今世紀の出来事とは信じがたいほどである。しかしながら、現実に起きている事実を受け入れ、新しいテクノロジーも駆使しながら解決の糸口を見出す努力を怠っては、”ブーカの時代”を生き残ることは難しいであろう。

    人工知能(AI)やロボット技術の進化は著しく、自動運転が近未来に普及するのはほぼ確実だ。また”神の領域”とされる遺伝子組み換えに関わる分野も既に技術レベルでは可能で、今や生命倫理の領域での議論にステージは移っている。将来的には家族の形態や価値観などについても、既存の常識が通じないような社会変化が次々と起こる時代になるのであろう。まさに半世紀前に漫画家手塚治虫が『鉄腕アトム』で描いた未来予想図の数多くが今の世に一つ一つ実現しているように。

    ではこのブーカ時代を生き抜くにはどうするべきか…。答えが用意されているわけではないが、まず、多様な価値観を受け容れる「柔軟性」と「寛容性」、そして変化していく環境への「適応性」は不可欠であろう。またAIと共存しながらも、人間だけが有する”生きる力”を磨くことも重要。蓋し、現世が”ブーカ”であって、そもそもただひとつの解などない時代を生きているのだという認識を共有すること、それこそが第一歩かもしれない。

    山崎善也

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