「令和」新時代―善聞語録111(広報5月号掲載)
「令和」の時代が始まった。すっかり西暦が普及した今日も日本人が元号に拘るのは、天皇制との関わりもあろうが、時代を特徴づけて一つの”区切り”として捉えようとする意識が作用しているのかもしれない。数百年に及んだ封建制から近代国家への幕を開けた明治、デモクラシー(民主化)に目覚めた大正、軍の台頭と敗戦・占領下から復興し経済大国を実現した昭和。そしてその反動としてのバブル崩壊からの脱却と相次ぐ災害に喘いだ平成、と一括りで語ってしまうのも皮相的に過ぎるか―。
私事で言えば、生まれた昭和に人生の基礎となる学力や社会人としての心構えを習得し、平成は壮年期を過ごした。齢50を機に金の世界から今の職に転じたが、心身ともに最も充実した時期が”私の平成”であったと思い返す。
この5月1日を、国民1人ひとりがさまざまな想いを抱いて迎えられたことと拝察する。学びや職務を継続する人もあれば、新しく社会に出ていく若者、未知の挑戦を志す人、あるいは第二の人生や静かな余生に委ねる熟年も…。立場・境遇は異なれど、どんな時代にあっても願うことは世の繁栄と安寧であろう。
「平成」は万人が幸を享受できたとは言えまいが、国民が戦争で命を失うことはなかった歴史上稀な時代であったことは間違いない。これは後世に誇れることであり、平成に続いて”戦争のない令和”が子々孫々に語り継がれることを願ってやまない。
山崎善也(綾部市長)
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