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あしあと

    酒の飲み方―善聞語録158(広報4月号掲載)

    春は別れと出会いの季節―。ということで歓送迎会の機会が増えた。コロナへの対応が一段落したこともあり、3年ぶりと銘打って開催される宴へのお招きが目立つ。地域の経済活動の活性化を願う者としてまずは有難い傾向であることに違いない。ただしコロナ前と異なるのは、差しつ差されつの❝返杯文化❞は影を潜め、またお膳に胡坐スタイルから椅子に座しての宴席が増えたこと。前者は感染防止の観点から、後者は高齢化が一段と進んでいる証左であろうか。

    わが身と酒との付き合いを顧みると、原点は大学の柔道部時代に遡る。稽古の後、先輩猛者に連れられるのは学生街にある酒屋での立ち飲み。❝角打ち❞と称される飲み方で、今は無きジャイアントという巨大なビール瓶が次々と空いてカウンターに並んだ。そして酒と言えば焼酎という土地柄のため、薩摩の芋焼酎の手厳しい洗礼を受けたものだ。

    社会人になると海外に配属されたこともあり、ワインと接する機会が多くなった。米国留学時代はカリフォルニア州ナパ・バレーのワイン畑を訪れ、にわかワイン通の蘊蓄を傾けた。日本酒に接するようになったのは、綾部に戻りこの職に就いてからで、正直言って銘柄に拘りもなく、杯を仰ぐのはもっぱら冷酒。というか熱燗が苦手のため、真夏にも熱燗に興じる左党の嗜好にはついていけず、キンキンに冷えたビールや冷酒に喉越しのよさを堪能したものだ。しかしながら還暦を迎える頃から次第に熱燗の美味さも分かりかけてきたのは、ここにきて日本人の血が騒ぎだしたのか、単に齢を重ねただけなのか。

    いずれにしても、酒は百薬の長ともなれば、一瞬にして毒水にも化ける。場を和ませる呼び水になる一方、程を過ぎれば争いの元凶とも…。今年は高齢者の仲間入りをしたことでもあり、年相応の酒の飲み方を心得ようか、などと思い巡らせるこの頃である

    山崎善也

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