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あしあと

    地図よりも羅針盤―善聞語録148(広報6月号掲載)

    「地図よりも羅針盤」とは、状況が日々刻々と変化している時には、既存の固まった知見より現時点での観測に基づく情報の方が有効である、という意味を「地図」と「羅針盤」を比喩的に使って表現した言葉。米国マサチューセッツ工科大学の実験室では”Compasses over maps”と盛んに使われるとのことで、他者の既往説より自分で物事を判断せよ、と戒めるものである。確かに目的地に向かう時、地図があれば便利だがややもすると図面をなぞるだけになり、ましてやカーナビの案内に頼るに至っては、既存データに因るコンピュータ指示に盲従するばかりである。

    この10年を見ても、地球温暖化による環境問題、頻発する自然災害や地震、新型感染症の世界的まん延、そして今般のロシアのウクライナ軍事侵攻など、何もかも転変著しい。誰も経験したことのない時代の真っ只中、当然のことながら前例やマニュアルがない中で、責任ある立場の者はその場・その時にベストな判断を求められる。まさに頼れるのは過去の地図情報ではなく、現時点の方向を見定めることのできる羅針盤となる。

    これはまちづくりにも当てはまることで、その時々の状況や地域・市民の特性に鑑みながら、住民の命と財産を守り、そして幸せの最大化を図るための羅針盤を駆使して自ら判断しなければならない。将来に夢を抱ける中長期的ビジョンを示した上で、過度な負担を遺さず、その夢を実行していくための施策を進めなければならないのである。時々の判断の正否が後世の評価に委ねられることは宿命と割り切るも、肝心要の羅針盤が錆ついていたのでは言語道断。そのためには謙虚に歴史を学び、現実を直視し、視野を広く持って情報を集め、そして何より明るく前向きな気持ちで「未来は必ず変えられる」と信じることが、最も有効な”錆び止め”になると自問する。

    山崎善也

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