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あしあと

    不思議な勝利―善聞語録125(広報7月号掲載)

    猛威をふるった新型コロナ禍は収束の兆しを見せながらも尚、浮沈みを繰返しそうな勢いだ。それでもパンデミックに及んだ世界に比し相対的に軽く収まった日本は、独自の医療制度のお陰とか、BCG接種の効用とか諸説あるが、その要因は特定できず、ノーベル医学生理学賞の山中教授も”ファクターX”と明言を避ける。正に”不思議な勝利”?であり、海外でも大きく報じられた。故野村克也元監督の名言に「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」があるが、偶然勝つことはあっても負ける時には必ず原因があるもので、勝っても奢らず足りない点を反省する大切さを説いたものと解釈する。

    今回のコロナ禍への対応は各国で分かれた。まち全体を封鎖した国もあれば外出者に罰則を適用した国、国民の大半抗体を持せようとした国など。その中にあって我が国は、国からの「要請」一言で、国民の動きが止まった。それは見事なまでに。本市に至っては感染者が発生した途端、まちの空気が一変し、「要請」を出す前に市民活動は自ずからストップした。己への感染を恐れたのはもとより、身内に、更には他人にも感染させてはならないという気持ちが重なっての行動と察する。これは”ムラ社会”で共生していく術とも言えるが、”他”を思いやる気持ちの発露ともとれよう。災害時に避難を躊躇う人に掛ける言葉で最も効果的なのは、「家族が悲しみますよ!」だという。日本モデルとして誇るべきは、国の要請に従順な気質というよりも、他人や地域に想いを巡らせる和の精神にあるのではないだろうか。

    山崎善也

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