当世流行らないもの―善聞語録116(広報10月号掲載)
ジャンボ宝くじの売れ行きが悪いらしい。特に若い世代の購買意欲が減退しており、その理由の一つはというと、抽選が一か月余りも先で即時性に欠けることであるとか。確かに、当選金が少額でも短期間で結果が出るくじは好調のようで、かつて億万長者を密かに夢に抱いた姿は、時代のテンポに合わなくなったのか。
また若者にとっては宝くじ売り場に足を運ぶことも億劫なようで、さすがに最近はネット販売も始めたというが、さて挽回なるか。宝くじの売り上げの一部は地方自治体にも回ってくるため、その動向は自治体の首長にとって全く他人事とも言えない。
ほかにも当世の若者に流行らないものとして挙げられるのは、飲み会、クルマ、海外旅行、封切り映画、デート、そして出世…等々。これらは全て我々が青春時代に憧れ、それを得るために働き、情熱を注いだものばかりかと思うと隔世の感、著しい。この四半世紀の間に何が起きたのか?物質的豊かさとともに価値観も変化したためか。長引くデフレで所得は上がらず、また格差社会が蔓延する中で若者の闊達な望みさえ諦めさせてしまったのか…。
そしてもう一つ当世流行らないもの…それは若者世代の選挙離れである。とても今の世に満たされているとも思えないが、それでも投票行動を起こさない現象をどう解くか。政治になど期待しないという、これも諦めであり、更にはそれが選ばれる側の人格や能力に因るというならば、その責任はあまりに重い。
山崎善也(綾部市長)
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