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あしあと

    綾部スタイル―善聞語録137(広報7月号掲載)

    政府は希望する人へのワクチン接種が今秋には終わるとの見通しを発表した。他国におけるワクチン接種の先進事例を見る限り、確かに感染率や発症率は劇的に改善している。一年半に及ぶさまざまな忍耐生活から解放される瞬間がいよいよ近づいて来たか、と期待に胸が膨らむのは私だけではあるまい。”止まない雨”の止む時がやっと来るのだ。

    一般的に人は、五里霧中の状況で「頑張れ!」「耐えろ!」と言われても、疲労感が増すだけである。逆に将来の見通しやゴールが見えてくると、想像以上にエネルギーが湧いてくるものだ。マラソンの最終盤、第4コーナーを回ってから全力疾走できるのは、まさにそれである。スポーツの事例がそのまま感染症に当てはまるとも思わないが、精神的には随分と楽になるのは間違いなかろう。

    それを知ってか、或いは期待してか、ワクチン接種が産官学を通して国民運動のように急ピッチで進んでいる。軽々にオールジャパンと叫ぶつもりはないが、この勢いが続けばコロナ禍の出口は予定よりも更に早まる可能性もあるという。本市においてもワクチン接種を鋭意進めており、文字通りオール綾部で臨んでいる。市内医療機関の医師や看護師との連携はもちろんのこと、会場設営や交通手段の確保等をシルバー人材センターや交通事業者、自治会でお世話になっている。さらには種々の制約で疲弊している飲食店や旅行業の方々にも協力を仰ぎ会場案内をお願いしている次第で、顔の見える関係だからこそ実現できた、まさに”綾部スタイル”といえよう。

    終息まではなお決して平坦な道のりではあるまい。変異ウイルスのことも案じられるし、オリパラに伴う第5波も懸念されているが、出口の見えてきた今だからこそ、気持ちをひとつにゴールを駆け抜けたいものだ。

    山崎善也

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