禍中の慶事―善聞語録126(広報8月号掲載)
4カ月ぶりに新型コロナウイルスの感染者が市内で発生し再び激震が走ったが、本人以外に感染は広がらずひとまず安堵した。「新しい生活様式」を取り入れつつ、引き続き緊張感をもって感染防止に努めたい。そんな渦中、市制施行日の8月1日に70周年記念式典を開催し、由良源太郎氏への名誉市民称号贈呈や各界の顕彰を行った。
人であれば「古希」を迎えた本市が産声を上げたのは昭和25年。長く暗い戦争と敗戦に伴う史上初の異民族による占領、そして食糧難や物資の不足という虚脱感の中から、平和国家再建という新しい理念を抱いて人々は立ち上がっていった。世相が暗かったからこそ、目標を同じくする生き生きとしたエネルギーが郷土を思う心を昂じさせ、新市誕生の礎となった。その精神は文化協会設立や世界連邦都市宣言などとも通底していると言えよう。
だが、以後も道は平坦ではなかった。度重なる災害、二度にわたる財政危機、そしてモノづくりのまちとして景気の浮き沈みに翻弄されながらも苦難を克服してきたのは、その時々をリードした”人”の存在に負うところ大である。そして今、待ったなしの人口減少、少子高齢化…と直面する課題は山積みだが、幾多の苦難に対峙し乗り越えてきた先達の遺伝子が今を生きる我々にも引継がれていることを矜持としたい。そして故郷をより良い形で次の世代に引き継ぎたい、引継いていかねばならない―と、顕彰の場に臨んで改めてその重責を痛感した次第である。
山崎善也
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