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あしあと

    スローライフ―善聞語録160(広報6月号掲載)

    表題はジャーナリストの故筑紫哲也氏らによって提唱され、過剰な効率化や情報化、消費社会に疑義を呈する人たちによって全国に広まった。先日、その中核ともなるスローライフ学会のフォーラムが本市で開催され、著名な大学教授や元総務大臣、京都府知事らを招き、基調講演や討論会を全国から訪れた同学会員や多くの市民が聴講した。このフォーラムは20年以上にわたって日本各地で開催されてきたが、今回は本市がスローライフの❝先進地❞として選ばれた。水源の里事業の先進的な取り組みや、地域資源を生かし「半農半X」など田舎暮らしを求める移住者を積極的に受け入れてきた本市の施策が評価されたという。

    不確実で不安定な現代社会を生き抜くために、一つの生業に縛られることなく複数の仕事を掛け持ちする「多業」や「複業」が推奨されたりもしている。今回のフォーラムには、本市出身で半農半X的な生き方を発案した塩見直紀氏もアドバイザーとして招かれ、半農半Xの「農」を医師・看護師、あるいは保育士などに置き換えた上でそれぞれの❝X❞を探求するというライフスタイルが紹介された。

    その点で言えば、先月92歳で逝去された由良源太郎氏はある意味で生涯、多業をまっとうされたのではないか。本業の産婦人科だけでも大変であるが、日東精工や商工会議所、スポーツ協会のトップなど要職に就き、熱い愛郷の想いを寄せられた名誉市民。その趣味の広さは多種多芸に及び、政治や経済、時事問題にもユーモア溢れる蘊蓄(うんちく)を語られた。

    人生百年時代を生き抜く術は、有形資産よりも無形資産にあるという。金融資産や不動産よりも趣味や資格、友人の数そして何よりも心身の健康の重要性を指摘する。「綾部はスローライフの聖地」―。フォーラムのあるゲストが残したこの言葉を、重く大切に受け止めたい。

    山崎善也

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