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あしあと

    事前の一策―善聞語録66(広報8月号掲載)

    何か問題が起きる兆候を事前に察知して策を講じる労力は、事が起きてしまった後の対応に要する労力に比べ圧倒的に少なくて済み、しかも効果的であることが儘(まま)ある。「事前の一策、事後の百策に勝る」とはよく言ったものだ。ポイントは、その予兆を見極める眼を有しているか、そしてその微(かす)かな変化を読み切り、対処する決断ができるか否か-。

    ある教育関係者曰(いわ)く、「生徒の些細な風紀の乱れを放っておくと一気に学校崩壊に繋がる」と。常にアンテナを張り、微妙な変化に反応できる感覚を磨くとともに、歴史に学んで次に何が起きるかを識(し)り、考えに考え抜くことが肝要と心得る。世の多くは成功も失敗も過去に繰り返し起こった同じ道を歩んでいる。欧米では、割られた窓ガラス一枚を放置することが町に凶悪犯罪を生む原因となるという「割れ窓理論」が環境犯罪学として認知され、ニューヨークの地下鉄の現場でも実証されている。

    災害の頻発が懸念される季節になった。台風の動き、雨量の予想など情報の収集に努め、“想定外”と言い訳にならぬよう、「事後の百策」でなく「事前の一策」の決断に神経を尖らせる日々を迎える。得てして事前の一策は地味で目立たぬもの-。効果的な一策も気付かれないまま過ぎ行くこともあるが、正にそれこそが危機管理の要諦(ようてい)であろう。

    山崎善也(綾部市長)

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