不易流行-善聞語録10(広報12月号掲載)

綾部発祥のグンゼが、綾部本工場でのストッキング生産の撤退を発表した。1896(明治29)年に当地で郡是製糸として生糸生産を開始してから100年以上の年月を経ての決定である。今後は九州と中国にストッキング工場を集約し、綾部ではOA機器、メディカル事業や研究開発部門に注力するとのこと。事業の栄枯盛衰は世のならい。自然科学者・ダーウィンも種の起源で「最も強いものや賢いものが生き残るではない、最も変化に敏感なものが生き残る」と述べている。
経済構造の進展や国際競争力の変化の中で、同じものを同じ場所で作り続ける事は不可能であろう。変化に対応し生き残るためには、作るものを変えるか、場所を変えることを余儀なくされる。今回のグンゼの判断も綾部では作るものをより戦略的な高付加価値なものに変える一方、伝統的な製品は海を渡ってまでも作る場所を変えようとしている。
経済合理性を求める企業の行動としては当然のことだが、繊維事業を中心としたものづくりに長年かかわり、愛着を持ってきた綾部市民にとっては心情的に複雑であることも事実である。その思いはグンゼ関係者にとっても同じであろう。
変化に敏感でなければいけないのは企業ばかりではなく、まちづくり全般にかかわる行政においても同様である。大切なことは何を変え、何を変えずに残すか―。すなわち「不易流行」の見極めである。
綾部市長山崎善也
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