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あしあと

    綾部の奴雁―善聞語録38(広報4月号掲載)

    綾部市長山崎善也

    「奴雁(どがん)」とは明治の偉人・福沢諭吉の造語で、その意は「群れをなす雁、野にありて餌を啄(ついば)むとき、そのうちに必ず一羽は首をあげて四方の様子を窺(うかが)い、不意の難に番をするものあり、これを奴雁という」とある。要は群れの安全監視役だが、通貨の番人である日銀総裁として石油ショック時に毅然(きぜん)として信念を貫いた前川春雄を讃(たた)えた著作『奴雁の哲学』で有名になった言葉でもある。

    未曾有の大惨事であった東日本大震災から2年を経て、安全安心への関心は高まるばかり―。特に原子力発電所に隣接する本市においては、より高い緊張感を持ち続ける必要がある。どんなに周到に事前準備をしても、想定外の災害に完璧に対処することは困難である。一方そんな時こそ、リーダーの決断と状況に応じた指示・命令が明暗を分ける。先般、本市の防災計画を抜本的に見直し、防災会議に諮った。地震や火災、原発事故などの複合災害を想定し、場合によっては市外への広域避難も盛り込んだ内容だが、今後も不断の見直しが必要と認識している。

    「奴雁」には、あらゆる情報にアンテナを張って迫り来る足元の危機に対処せよ、という意味があるほかに、10年、20年、百年先を見据えて災害に強いまちづくりを図るべしとも解釈できる。

    市民の生命・財産を守るため、“綾部の奴雁”としての任務を渾身(こんしん)の力で全うすべく、改めて身の引き締まる想いである。

    綾部市長山崎善也

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