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あしあと

    フィリピンという国―善聞語録82(広報12月号掲載)

    国際交流の新たな可能性を探るためフィリピン共和国を先月に訪れた。空路で約4時間の南洋に位置し、七千以上の島々に計一億人が住むこの国は、いろいろな意味で日本とは真逆な顔を持つ。一年を通して気温三十度前後という常夏で、国民の大半が英語を話す。平均年齢は二十三歳、出生率は3人を優に超える。そして明るくエネルギッシュな国民性は❝アジアのラテン❞とさえ称される。若く豊富な労働力を背景に急速な発展を遂げており、活気と魅力にあふれた国との印象を受けた。

    一方で一人当たり国民総生産(GDP)や人件費は日本の約十分の一。国内経済は未だ不安定で、特に若者の失業率は二桁と高く、富の偏在も著しい。然るに、国民の多くは海外に出稼ぎを求めその外貨送金が同国の経済を支えるという。多くはカトリック教徒のため避妊や離婚が禁じられており、シングルマザーが社会問題となっている。結果として女性の社会進出は著しく政財界の要職をも務めるが、それを可能とするのは大家族主義。老いも若きも家族で面倒をみるため、この国に介護施設や託児所はあまり目にしない。

    今回訪れた地ではそれぞれ大歓迎を受け、熱いメッセージをいただいた。確かに補完関係は見出せるが、これほど日本と真逆な面が多い国と、今後いかにお付き合いをしていけるか-。この国としてはまずは貧困からの脱出と治安の確保が重要となる。話題のドゥテルテ新大統領の大胆な国政運営に注目したい。

    山崎善也(綾部市長)

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