一芸に秀(ひい)でる―善聞語録187(広報9月号掲載)
8月1日、本市の市制施行日に75周年の記念式典を開催した。功労者や篤志者などの表彰に加え今年は市民栄誉賞を創設し、その第1号として本市出身で昨年、人間国宝に認定された神農巌氏を表彰した。氏は陶芸の世界において、堆磁(ついじ)という独自の技法で「いのち」や「祈り」をテーマにした作品を数多く世に送り、伝統を踏まえながらも斬新で繊細な芸術性が高く評価された。
一方、7月に京都市内で開催されたコンサート「ちどりやロックス」は、やはり本市出身でドラマーとして有名な屋敷豪太氏のプロデュースで、冒頭に綾部太鼓が披露された。屋敷氏やバイオリニスト葉加瀬太郎氏と本市から3人の打ち手が共演、歌手の藤井フミヤ氏や奥田民生氏らと同じ舞台に立ち、真夏の古都の一夜を盛り上げた。屋敷氏は高校卒業後に上京、その後ロンドンを中心に活躍し、今は上林に居を構えながら精力的に音楽活動を展開している。
分野は異なるとはいえ二人に共通しているのは一芸に秀でていること。そしてともに公言するのは「今の自分があるのは幼少から多感な青春時代を、綾部で過ごしたから」と。即(すなわ)ち、本市の豊かな自然や地域の人々とのふれあいが、それぞれの作風や芸風に映(うつ)されているという。屋敷氏は、自らの原点は綾部太鼓にあり、それを今回のコンサートで世の人に伝えたくオープンニングでの披露に繋(つな)がったとのこと。
それぞれ言葉にできないほどの苦労や壁を乗り越えてきた結果、今の地歩にあると拝察するが、それを封印してことあるごとに故郷への感謝を吐露する二人には敬意の言葉しかない。同じ世代を生きる彼らと出会う度に、何事も極められない我が身を恥じ入るばかりだが、せめて故郷への熱い想いだけは二人に劣らない覚悟で市政に臨みたい。
山崎善也
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