春が来た―善聞語録62(広報4月号掲載)
♪春が来た、春が来た、どこに来た。山に来た、里に来た、野にも来た~♪
広く愛唱されているこの歌は、明治43年に尋常高等小学校の唱歌として発表された童謡の一節である。平易な言葉で春の歓(よろこ)びを描写した明治の先達の才に驚くが、詞(うた)はこの後、花はどこに咲く?鳥はどこで鳴く?と、たたみ掛けるように春の訪れを謳歌する。四季を有する特権として、日本人は春を当たり前のように愛(め)でているが、春夏秋冬が明確に分かれている国は洋の東西、決して数多くはない。
20歳代に2年間、留学のため米国サンフランシスコに居住した。移り住んだ当初は連日の青い空と輝く太陽に感激し、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」は此処(ここ)にあり、と思わず口ずさんでいたことを思い出す。しかしながらやがて、来る日も来る日も続く変化のない平べったい気候に、次第に違和感を抱き始めた。寒さに震えて暖かさに感謝する冬の曇天の後こそ春の陽光が眩(まぶ)しいわけで、帰国後は四季折々の日本がなんと素晴らしいかと再認識したものだ。
その想いはとりわけ故郷にUターンしてから一層強い。フキノトウを見つけて微笑み、梅を愛で、桜に興じていると、難問山積する市政の重圧を一瞬でも和らげてくれる。そこで♪春がき~た~♪と口ずさむと、改めて春の到来の歓びとあわせて、新たな年度に向かい合うエネルギーが心身に漲(みなぎ)ってくる!
山崎善也(綾部市長)
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