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あしあと

    綾と錦―善聞語録36(広報2月号掲載)

    綾と錦―。いずれも1300年もの昔から古人(いにしえびと)が作り上げた織物だが、綾は単色の糸を縦横に、そして錦はさまざまな色糸を織りなしたものの違いがあるそうだ。錦の眩(まぶ)しいばかりの華やかさに対し、綾は専ら光の陰影でデザインされた素朴さに魅了されるという。そしてそのモノトーンの深淵(しんえん)に、連綿と続く人間の逞(たくま)しい営みを感じる。心の動きの機微を表す「心の綾」、微妙で巧みな言い回しを形容する「言葉の綾」も、その語源は織物の表面に浮き出る微妙な文目(あやめ)から発する。

    ところで、綾部を訪ねて来た友人は「このまちには品格がある」と言う。田畑に囲まれた田舎暮らしの里山風景に貧しさは感じない―と。そして綾部の人々と接する中で、優しく控え目な慎(つつ)ましさを感じながらも、一方では凛(りん)とした故郷への強い誇りが伝わってくると言う。

    綾部とは綾を織りなす人人のこと…。そしてこの綾は、穏やかで節度ある土地柄を縦糸に、一方では故郷に対する熱い慕情と誇りを横糸に織り上げる中で生まれてきた。文字通り品格ある市民性を言い当ててはいないだろうか。錦のような華美な派手さはなくとも、綾にはこの山陰・丹波の地に育つ盆地人ならではの、地味ながらもキラリと光彩を放つ存在感が似合っている。そしてこの先人の創り上げた価値観を継承し、発展させ、次の世代に引き継いでいくことが我々の使命であると心得る。

    綾部市長山崎善也

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