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あしあと

    静かなる多数派―善聞語録51(広報5月号掲載)

    市民の声を聴け!と言われる。もちろん異論はない。民意は“天の声”であり、民主主義とは民意が最大限に活かされることを前提にした制度である。しかしながらその民意も、いろいろある。

    論理的に筋の通った意見もあれば、思いつきでしかないと思えるものもある。我田引水的な意見もあれば、声の大きな訴えもある。フワッとした民意に迎合して権勢を得たものの、一転して逆風に煽(あお)られた政治家もいる。大切なことは、1人ひとりの異なる声を聴いた上で、確固たる責任感をもって政策に練り上げていく構想力・実行力ということか―。

    とかく大きな声は耳に入り易い。ただし声の大きさと、その意見を支持する人の数は必ずしも一致しない。声の大小に惑わされることなく、逆に“声なき声”に敏感になるように日ごろから自らに言い聞かせている。大きな声に違和感を覚えるときは尚更(なおさら)だ。現地現場に出向いて開催している「ふれあい出張市長室」は40回を数えるが、この場でこそ市民の本音に触れられる。経験的には、声なき声が実は多数派であり、また常識的な判断である例証が多い。

    声なき声をしっかりと聴き分けるには、常日頃から耳を清浄に保っておくことが基本。そして微かな声の振動から生じる空気の揺れを全身で感じとれるアンテナを身に付け、さらにはその振動の意味するところを解読できる神経細胞を涵養(かんよう)しておくこと以外に術はなかろう。

    山崎善也(綾部市長)

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