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あしあと

    未体験領域―善聞語録54(広報8月号掲載)

    前職(銀行員)時代は国内の度重なる転勤はもとより、米国に住んだり、海外出張にも頻繁に出掛けたりした。そして金融という業務を通じて、内外のいろいろなビジネスの世界で知己を得る機会にも恵まれた。現職に就いてからは行政や政治の世界に足を踏み入れ、未知の世界で新たな経験を積みながらの5年間であった。我ながら慌ただしくも充実した半生だったと振り返りつつ、更に今、新たな「未体験領域」に臨もうとしていることに気付く。

    それは還暦が近づくにつれ、「老い」への意識が次第にリアリティを増してくることである。幸いなことに目下、特段の患(わずら)いはないものの、視力や記憶力の衰えは如何(いかん)ともしがたい。80歳を超えて尚、酒やゴルフに興じておられる大兄に接すると、我が身を顧みるに果たしていつまで酒が呑めるのか、いくつまでゴルフができるのか、といった浮世の浅き夢に煩わされるのも、まだまだ彼方(かなた)と思っていた対岸が否応なく近づいていることを自覚するせいか。

    “老い”は誰もが避けられない宿命ならば、徒(いたずら)に抗(あらが)うことなく現実を受けとめ、正面から向き合う覚悟が肝要となろう。これまで克服してきた領域とは趣の異なる「未体験ゾーン」とは言え、怯(おび)えることなく先人の智慧も借りながら、むしろ楽しむくらいの気持ちでこの「未体験領域」に挑んでいきたいものである。

    山崎善也(綾部市長)

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