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更新日:2021年8月16日

ヤマアラシのジレンマ―善聞語録138(広報8月号掲載)

「ヤマアラシのジレンマ」という寓話をご存じだろうか。ある冬の寒い日、2匹のヤマアラシが暖を取ろうと身を寄せ合ったが、トゲだらけのためお互いの体を傷つけ合ってしまう。そのため離れてみるとまた寒くて耐えられない。何度も近づいたり離れたりしながら、お互い傷つけることなく暖を取れる適度な距離を見つけ出す、という話である。「近づきたいが近づき過ぎたくない」「離れたいが離れ過ぎたくない」という2種類のジレンマは、精神分析の分野での研究対象にもなっている。

折しもコロナ禍の下、3密を避けることが至上命題となり、「ソーシャルディスタンス」という小洒落た表現で”適度な距離”を保つことを促されるようになって早1年半が経つ。マスクで表情を隠し、グータッチなどで濃密な接触を避けることが緊急事態宣言下の必須マナーとなり、現代社会でも「ヤマアラシのジレンマ」が寓話で済まなくなりつつある。この微妙な距離感は、最も身近な関係である親兄弟や夫婦、或いは親しい友人との間でも例外はなく、感染源のトップが断トツで家庭内であることが如実に示している。

「親しき仲にも礼儀あり」と言う。人と人とのコミュニケーションはただでさえ難しいものだが、最も近しい人であっても全ての人格を他者に晒すことには臆病になってしまう。9割を譲ったとしても、どうしても守りたい1割が存在する。もっともその1割があるからこそ、9割を譲れる余裕が生まれるのかもしれないが…。

コロナ禍により都会の密を避けて地方に移住する田園回帰が時代の大きな潮流になると言われる。その際に新たな価値観と多様性を擁する田舎生活をエンジョイするには、地域と”ほどよい距離感”を持ちながら交流していけるか、が問われている。その意味でも「ヤマアラシのジレンマ」はポストコロナ時代の新たなキーワー
ドになるのかもしれない。

山崎善也

 

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